
まだまだ暑い日々ですが、今日は雲が少しあって、すこうし楽な瞬間もあったような。
昼間はベビーマッサージのクラスだったので、
少しでも涼しい雲があれば、赤ちゃんつれていらっしゃるのも楽だろうかと、雲を願う。
夕方、暑さが落ち着いて、月が昇り始めると、美しい空の招くのによばれて、外へ。
桜の木々が一年中で一番濃い色に思われる頃。
蝉時雨。
みんみんみんみんあぶらぜみ、つくつくつくつくつくつくほうし。
空にかかる白い月は大きくて、それがだんだん黄味をおびて光りだす、
光り始めるそのときに、月の美しさのその妖しさにはっとする。
先日マキノ正博監督
『婦系図』をみた。
山田五十鈴きれいだなあ、花火の演出がよいなあ。
それできのう今日は、
泉鏡花の原作を読んでいた。
もともと大好きな泉鏡花であるけれど、久しぶりに読むと、その描写の色、艶、美しさ。
ほんとうにおもしろい。
これからの人生は鏡花研究家になりたしと思ってしまうくらいに。
鏡花を読んでいたせいなのか、
月も、満開のサルスベリの紅も、木々の緑の揺れる様も、みななにか、いつもより饒舌に感じられて。
けれど、月は明日が
ブルームーンという。
今月二度目の満月なのだ。
やっぱりちょっと今日はふだんより濃厚、つまりはパワフル!ということかもしれません。
昼の暑さはまだまだ収まりそうになくても、
宵闇のなかからは虫の声。
秋もだんだん近づいていることを思って、ほっとして外のくらがりに耳をかたむける。
そんな時間に生き返るここち。
日々の生活のなにげないことに気持をもてると、わたしたちはとたんにしあわせになるのです。